Research 研究・業績

Research 研究紹介

  • 身近な臨床的疑問から臨床研究を行う研究心を持った医師を養成するとともに、自分で行った検査・治療が患者さんに与えた効果や有用性を報告して医療に貢献することを目指して臨床研究を実施します。細分化された領域にとらわれずむしろ細分化された分野を組み合わせて新しい研究テーマを見出す研究を行います。また、当講座で実施した医学教育や地域診療について現況とフィードバックを得るための調査も行っていきます。

  • 生活習慣病における新規バイオマーカー・治療の開発

    脂質異常・高血圧・糖尿病などの生活習慣病は動脈硬化の危険因子であり、心血管予後を規定するためにその予防・治療が重要である。心臓から分泌され心不全や体液量推定のバイオマーカーとして利用されているBNPやANPなどの利尿ペプチドは、これら生活習慣病の病態生理と関わりがあることが判明しつつある。脂肪肝などの生活病周辺疾患と利尿ペプチドを用いた診断・治療の可能性について検討する。

  • 離島医療における遠隔診療導入による効果

    香川県は医師少数地域である東部医療圏及び小豆島を有しており、総合診療としての医療サポートは喫緊の課題である。総合診療医が少ない現在、少ない人員にてサポートを行うために現地派遣だけでなく遠隔診療及び診断の併用が有効ではないかと考えられる。患者へのオンライン診療や医療従事者への医療アプリを用いた医療相談・支援などの介入により、患者・医療従事者への満足度や問題点など質問紙調査など行い効果を検討する。

  • 機能性ディスペプシアにおけるプロトンポンプ阻害剤(PPI)+
    六君子湯の有用性の検討

    機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia:FD)(器質的疾患がないにも関わらず、食後愁訴症候群(食後のもたれ感、早期飽満感)、心窩部痛症候群(上腹部痛、上腹部灼熱感)などの症状をきたす疾患)に対する一次治療として六君子湯をPPI(Proton Pump Inhibitor:プロトンポンプ阻害剤)に上乗せすることにより症状の早期改善に貢献するという仮説のもと、非盲検ランダム化比較試験を実施し、臨床研究を実施している。

  • ESD介助に関わるコメディカル対象の
    Sit-stand workstation有無別の筋骨格系疲労度の検討

    オフィスワークでは、長時間座位による身体不活動性と慢性疾患罹患率の上昇との関連性が指摘されており、sit-stand workstation(立位・座位を柔軟に変更可能なワークステーション)の有用性が期待されている。内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)手技中の内視鏡医のsit-stand workstationでの疲労軽減については既に有用性が指摘されている。腰部、下肢の筋骨格系障害を認めており、特に腰部の筋骨格系障害とESD従事時間との関連を認めている。本研究はESDを看護、補助するコメディカルに対して、sit-stand workstationの使用が身体の局所違和感(痛みやだるさなど)に与える影響を検討することを目的とし非盲検ランダム化比較試験を実施している。

  • 多職種連携による心不全診療の最適化

    心不全入院を減らす対応策の一つとして、医療機関と調剤薬局薬剤師との医療情報共有の促進し、心不全患者との接点が多い調剤薬局薬剤師による心不全患者指導が有効であると考えられる。
    そこで、かがわ医療ICTであるK-MIX Rを活用して、調剤薬局薬剤師との連携推進による心不全医療提供体制の効率化・最適化をめざすことを目的とするプロジェクトを行っている。

  • 肺高血圧患者の早期診断マーカの探索

    肺高血圧(PH)は様々な疾患の予後悪化に寄与する臨床的に重要な病態である。各疾患に合併する肺高血圧症はその病態の複雑さから、診断が難しい。治療薬の進歩に伴い、今後、疾患の早期発見がますます必要となるが、臨床的にはBNP/NTproBNP値も参考となるが、鋭敏な指標とは言えない。我々は、心不全患者の外来や非医療機関でも簡便にスクリーニング可能な尿中マーカーを探索している。今回、そのマーカーをPH患者早期発見に応用できないかを検討している。

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